コラム

 

 

『建築士』7月号 専攻建築士についての特集

2008年7月1日

『建築士』7月号で専攻建築士についての特集で、わたしの原稿も載せて頂いたので紹介させてもらいます。

・・・・・枝廣さんから教えていただいた“バックキャスティング”や富山県の“マイバック”も勝手に使わせていただきました。(よろしくお願い致します。)m(_ _)m ・・・・・




 

~~~~~ここから引用~~~~~ 

 

富山県の専攻建築士制度も丸3年を過ぎ、専攻建築士の認定者数もようやく200名を超すことができました。しかしながら、他県と比べて会員数に対する認定者の割合は、まだまだ低いというのが実情です。また、初めての制度の運用ということもあり、試行錯誤の中での3年間でした。満足する成果もありましたが、当然ながら問題点も色々と出てきました。細かな制度運営上の問題点は、日々又は毎年改善可能なので、ここでは今後の為に、根本的な問題点を挙げてみます。

私が感じている問題としては≪専攻建築士制度に対して、士会が具体的にどのようなビジョンを持っているのかを社会に明言する必要がある。≫という事です。

目的や趣旨は、規則にも明文化されているので理解できますが、より具体的なビジョンが必要なのです。例えば、「2010年度富山県建築士会員のCPD参加率60%、専攻建築士30%を達成する。そうなれば、CPD制度に参加して且つ専攻建築士の認定を受けていなければ建築士としての信用度に影響するほどに、制度の重要性が増す。そして、プラス循環で自然に高水準を維持できる。」といった具合です。

以前に、連合会の運営委員会からアクションプランを示していただきました。問題は、積み上げ方式のビジョンでは目標の数値はなかなか達成されないという点です。今必要なのは「バックキャスティング」型のビジョンづくりです。「理想的なあるべき姿」をつくってから、現時点を振り返り、その間を埋めていくための取り組みや施策を進めていくのです。そうすれば色々な新たな考えが生まれてくるのではないでしょうか。

幸い、これまでの啓蒙活動でだいぶ意識が高まっていますが、おそらく何も言わなくてもやる高意識層(意識の高い人)から低い人まで、いろいろな幅があります。その真ん中の、意識はあるけれど行動につながっていない人たちを、いかに早く行動に持っていくか。これがとても必要なことだと思います。

良い例があります。例えばマイバックです。富山県内でも「レジ袋をやめてマイバックを持ちましょう」という活動が色々な団体や個人の方々によってなされてきたのですが、意識啓発をやっていただけでは数%しかマイバックの持参率は高まらなかったのが現状でした。しかし、先頃のtv報道を皆さんご存知だと思いますが、富山県一斉に“レジ袋の有料化”というひとつの仕組みを入れたとたんに、なんと90%以上がマイバックを持つようになったのです。

太陽光発電もそうです。太陽光発電技術に優れた日本が、2004年まで世界一の累積導入量を誇っていたのですが、ドイツが大きな自然エネルギー発電(二酸化炭素削減)の目標数値を掲げ、その中から「売電価格の補助」という仕組みをつくりあげたのです。その結果、今では累積導入量は日本の約2倍となっています。

これらの例からも解るように、大事なのは適切な仕組み作りなのです。意識だけではなく、≪専攻建築士になれば得なんです。もしも専攻建築士にならないと損ですよ!≫となる仕組み作りが、最も早く最も多くの人々の行動を変えられるのです。
この仕組みづくりに関しては、勿論、連合会の皆様や他の建築士会の皆様のお知恵やお力を拝借しながらでないと進めていけるものではありません。尚且つ(繰り返しになりますが)地道な積み上げのビジョンでは私達や士会の想いは達成しないと思います。

思い切った発想の転換の中(バックキャスティング)から、必ずや新たな仕組みが生まれてきます。 専攻建築士制度をしっかりと根付かせる為に一緒に頑張りましょう。 

 

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